50才独身無職のフラフラ日記

50才独身女性の毎日のつぶやき

新月


もう何年前になるだろうか?
まだ結婚していた時の通勤経路を歩いた。
もう引っ越ししているのでもう二度と来ることはないと思っていたけど
外せない用事ができたから。(きっと偶然ではないだろう)


一人でぼんやりして油断していたのか、心の底に沈めておいたはずの感情が湧いて来た。
あの頃、
バスで揺られながら帰宅していた頃、疲れ果てていたこともあった。
泣きたいのをこらえながら歩いたことも
数知れずあったのに。


この時胸に浮かんで来たのは
意外にも、楽しかった想い出だった。


おかえりやただいまが当たり前だった頃のことを、
たわいのないことで笑い合った日のことを、
ずっと思い出せなかったんだ。
関係が壊れかけ破綻を来たしながらも、修復するために相手を責めた。
逆効果だったことにも気付かずに。


歯を食いしばってどうにか自分を保っていたから、
何にも気付かずに、ありがたみにも無頓着で居た。


「会いたいなあ」初めてそう思った。
大粒の涙がポロッポロと流れた。
もういいから泣いちゃえと思い、ボロボロになりながら歩いた。


「帰りみち」
忘れられないいまさらを胸にしまい込んで
思い出してよおかえりの声が聞こえた日のことを
あの日のことを
忘れられないいとしさを胸に深く抱いて
思い出してよただいまと
扉の開いた日のことを
あの日のことを



OAU「帰り道」 テレビ東京系ドラマ24『きのう何食べた?』オープニングテーマ



この歌が、胸に沁みいるようだった。


やり直したいとか後悔しているとかそういうことではない。
結婚も離婚も私にとってかけがえのない大切な体験だ。
これ以外の道はなかったし、これからもしっかりと前を向いて歩いて行く。


ただ自分を立て直すために踏ん張っていたから悲しむことを抑えてたんだ。
やっと泣ける。


空手の道着を着て床に突っ伏して泣いてた子供は、私だった。
私はきっと泣きたかったんだ。
気のすむまで泣きたかった。
やっと泣けた。


泣いた後には、すっきりとした空が広がっていた。








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