甥っ子の空手の昇級試験なるものを見に行った。
勇姿に感動して涙が溢れてきた。
頑張ったことがありありと伝わって胸が震えた。

もうひとつ私の胸を震わせたのは
初段くらいの試験を受けていた別の男の子。

まだ小学校にも上がってないような幼い姿で懸命に向かって行くんだけど、
自分よりも体の大きな女の子に歯が立たなくて、
泣き出してしまった。泣きながらも歯を食いしばっていたけど、
限界を迎えたのか座り込んでしまい試験はどうやらそこで終了となったみたいだった。

後ろの列に戻った彼は、床に突っ伏したままオイオイと泣いた。
しゃくりあげながら、彼はいつまでもいつまでも泣いていた。

なんだか私は目が離せなくなった。
誰が慰めようが、待っている両親のところに帰ろうが
泣き止まずにいた。

泣いたことが悔しかったのか
負けたことが悔しかったのか
自分の不甲斐なさに泣いたのか

お見事な泣きっぷりだった。
突っ伏してオイオイ泣く姿は私の心に焼き付いた。

私の中の何に反応したのかわからなかったけど、
きっといつかわかる時が来ると思う。

自宅に戻ってからひとつの出来事が起こった。
私はなんだかイライラしていた。
気遣いの出来なかった自分に対して不甲斐なく思う気持ちもあり
実家に出戻ったアウェイ感がもどかしいのか
焦ってるのか
八つ当たりなのか

突っ伏してオイオイ泣きたくなった

明日は新月だから、その影響かな。
表の顔はニコニコしていても、裏側にはこんな顔を持っている
輝く月の裏側が闇のように。

欠けてなくなってしまえば、
今度は満ちて行くだろう。

それまで待っていようと思う。

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